:おっと。これ、どうして一体評価しているの?
:ああ、これですか。手前に200㎡の自宅があって、その真裏に300㎡の畑があるやつですね。別評価すると、裏の畑が無道路地になっちゃいますよね。それだと不合理分割になるので、一体評価をしたのです。
:だめだよ、へんなことを言っては。いいかい、「不合理分割」というのは、実際に土地が分割されるときの話だよ。評価単位の判定とは別さ。…って静岡地裁が言ってた。
:そうか。じゃあ、不合理分割というのはやめます。でも、一体評価した方が、両土地の位置関係からして合理的ですよ。そんな規定ありましたよね。
:どこに?
:ええと…、どこかに、です…。
:おそらく、評価通達7なお書のことを言っているのかな。
:そうそう。それです。今検索しましたけど、「位置等からみてこれらを一団として評価することが合理的と認められる場合」に該当するんじゃないですか。
:部分的に読むと確かにそうだね。でも、その前を読んでみ。「市街地農地・市街地山林・市街地原野・宅地と状況が類似する雑種地のいずれか2以上の地目の土地が隣接しており」ってあるでしょ。
:あ。
:そう。ここには「宅地」は無いんだよ。
:ほんとだ。でもですよ、雑種地と山林が縦列している場合は一体評価で、宅地と山林が縦列している場合は別評価って、なんかおかしくないですか?
:確かにその議論はある。というか、ほんと言うと僕も扱いを変えるのはおかしいと思うんだ。でも、宅地がこのなお書きから除外される点に関しては、東京地裁で判断が出てしまっているからね。従っておくのが無難だと思うよ。
:そうか。規模格差補正を適用してあげたかったんだけどな。
参考:評価単位判定事典(日本法令)ケース003