赤道。それは、戦後世の中の合理化が進む中で、法的には切り捨てられてしまった道たちで、その辺から感じられる悲哀もまたよしです。機能を喪失した赤道に出会った時などは、本当にうれしい。通路の痕跡もない畑や宅地の一角に佇んで、視線をふと遠くにやると、ここに向かってあっちから通路のようなものが続いてきて、そして反対側に走り抜けていく、なんてことがあります。「ここだ!ここも昔は道だったんだ!」と嬉しくなります。もっとも、この興奮は誰にも伝わらないと知っているので、黙っています。
写真は通りすがりのリス(の像)
