私が小学生のころ、昼下がりの情報番組の心霊写真特集で、大宮公園のボート池のほとりに生える木が紹介されました。霊が写っていたというのです!
クラスの数人で、この木を見に行こうという事になりました。
我々は地元の小学生です。大宮公園はいわば木だらけなのですが、テレビに映った周辺環境から、どの木かはすぐに特定できます。
件の木に到着した私たちは、その瞬間失望しました。そこには木がいつものように立っているだけで、幽霊も何もいません。「霊なんかいないじゃん!」。失望は不平不満に変わり、中には怒り狂って、木におしっこをかけるやつまでいます。
いやいや君たち、「現地では何もいないけど、写真を撮ったら霊が写る」というのが心霊写真というものであって、現地で何も見えないのは当然なのだよ…。
さあ、30年の時を超えて、「埼玉県大宮市」は「埼玉県さいたま市」に変わりました。同じ木の写真を撮影してみよう。何も写っていませんな…。デジタルだからかな。
