ぶちさんは、ぶちねこです。そしてぶちさんは時々、ミーコやピースケになっていたこともあります。ぶちさんは野良猫なので、いろいろな人が好き勝手にいろいろな呼び方で呼ぶのです。そもそもぶちさんというのも、うちの奥さんが勝手につけた名前です。
ぶちさんは、大宮駅東口のゴチャゴチャした繁華街の、さしてうまくもない居酒屋の裏に住み着いていました。そして居酒屋のおじさんから、残り物や魚の骨などをもらって、生活していたのです。まあ、なかなかのちゃっかり者なのでした。
うちの奥さんも私もぶちさんが好きで、ミルクや、寒い冬には使い捨てカイロなどをやっていました。
ある日、ぶちさんが姿を消しました。居酒屋のおじさんに聞いてみると、「旅に出た」とのことでした。ああ、ぶちさんはかわいそうだけど死んでしまったのだなと、思いました。野良猫は旅になんか出ないからです。
ぶちさんがいなくなってから、だいたい1年がたちますが、ここを通るとついぶちさんを探してしまします。(写真は2011年8月28日撮影・埼玉県さいたま市大宮区)
